地域包括ケアシステムとはどんなシステムなのですか?

 先日、『地域包括ケアシステムって、どんなシステムなのですか?』の質問を頂きました。

こんな私にこの質問を頂いて、ありがたい氣持ちです。
質問を頂いたHさん、ありがとうございます。 

 質問は、情報を発信をするから情報として返ってくる場合が多いと思います。
この質問を頂いた流れもそうでした。

【Hさん、コンパッション・コミュニティという言葉を知っていますか?】

『いいえ、初めて聞きました。どういう内容ですか?』

【コンパッション・コミュニティは思いやりの協働体だと想っています。Hさんが病気になり介護が必要になったとします。その際、Hさんを思いやり、その生活を支えて下さるコミュニティ
をその様に呼んでいます。今、そのコミュニティがない人を対象に地域の方々と3人でより添いサポートという活動を行っているのですよ

『鷹尾さんは、なぜ、より添いサポートを地域の方と取り組んでいるのですか?』

【聴いて下さって嬉しいです。現在、医療介護は地域包括ケアシステムを深耕する流れにあります。また生活困窮等の分野まで含めると地域共生社会に向けて歩みだしています。それは、子供の数が減り、お世話が必要になる高齢者の方の数が増える時代になったからです。例えば、Hさんが結婚し、お子さんが1人いるとします。そのお子さんが結婚したとして、Hさん夫婦と連れ合いの夫婦の4人を夫婦でお世話することになるのです。その頃は働く医師や看護師等の専門職の人が少なくなる。もしかしたら入院できる病院の数や介護施設が少なくなっているかもしれません。ではどこで療養するのか?基本ご自宅になります。すると、Hさんのお子さんは4人の親のお世話をどの様にして行うと思いますか?】

『え.. ヘルパーさんにお願いして行うことになると思います』

【ですね。でもそのヘルパーさんの数が減っていますし、ヘルパーさんが介護保険を使ってお世話ができる時間も限られています。問題は、介護保険で対応ができない生活支援をどなたが行うか?なのです。全てを家族が行おうとすると、介護離職を余儀なくなれる事になるかもしれません。でもそれはできない。自分の生活や将来のこともある。では誰にお願いすれば良いか.. いま、ここを行って下さる方がとても少ないのです。ここを何とか早く創る必要があるし、生涯生活できる住宅も準備しないといけないと考えています。】

『イメージ出来ました。それは大きな課題ですね。でもどうやってそれを行えば良いのか..難しい課題ですね。』

【だから国も地域包括ケアシステムや地域共生社会と言っているのです】

『医療の世界に身を置きながらこんなことを伺うのは恥ずかしいですが、地域包括ケアシステムってどんなシステムなのですか?』

【そんなことないですよ。私の想う地域包括ケアシステムとは、地域・包括・ケア・ネットワークだとイメージしています。今までの社会は縦割り社会でした。医療は医療。介護は介護。子育ては子育て..みたいな分類で分けた政策制度の運用でした。よって、縦割り同士が競争をして鎬を削るような社会だったのです。これは団塊の世代の方が若い時代の人口が多い時には成り立つ制度かもしれませんが、現状の様に超高齢・少子社会の中では、この様な制度は機能しないと想うのです。よって、超高齢・少子社会に合った社会運用の仕組みに変えないと現実が混乱する。そこで生まれたのが、地域・包括・ケア・ネットワークだと捉えています】
【競争➡協調・協働へ。施設➡在宅へ。単体➡包括。そしてネットワークへ。社会の全員が意識と行動を変える必要があるのです。医療は、介護や住民、行政や商工者。そして学校等、多くの互助・商助・共助・公助の方々と連携する必要があり、その連携がないと医療だけでは患者さんの生活や人生を支えることは出来ません。よって、患者さんの情報を一番多く持つことになる医療が積極的に地域社会と交わり、その患者さんの生活を支え、その方が顔なじみの地域社会で人生最期まで安心して暮らすことができる体制を創る責任があると想うのです。私達は、今、それを行っています。】

『何となくわかってきました。どの地域も医療関係が率先して行っているのですか?』

【2022年の9月2日、さわやか福祉財団主催の生きがい・助け合いサミットin東京の分科会26に登壇をさせて頂いた時、ファシリテーターをされた故・堀田力さんが(行政が参画せず医療が引っ張り、基金の運営をしていて地域は全国的にも珍しい)と仰って下さいました。他の地域で医療が引っ張っている地域も沢山あると思いますが、当地では、私達で出来るところまでは一所懸命に仕える!が下稲葉康之先生の想いであると思いますからそれに背くことなく励みたいと想っています。】

『私にできる事があれば仰って下さいね』

【心強いです。よろしくお願いします】

この様な会話がありました。
医療介護従事者でもよくわからない。それが地域包括ケアシステムのようです。
もっと・もっと・もっと 伝える必要がありますね。

 仕えます。