NPO法人志免地域支え合い互助基金は、2018年7月より活動を開始しました。
目指すのは『志免町の住民同士が関係し合う互助・支え合い社会の創出』です。
その当時、人と人の繋がりの薄さ(※無縁社会と呼ばれていた)・単身世帯の増加・介護保険等の改正により「介護難民」が増えるのではないか?その延長線上に孤独死が増えるのではないか?を危惧していました。また、志免町社会福祉協議会の会長さんより「生活困窮者の増加」を懸念する旨の話も出ていました。
それらの懸念に対し、観て見ぬふりをするわけにはいかない。そんな未来にならないようにする。という意志のもとに基金が設立されました。

当初は、アクティブシニアの方を対象に、シニアがシニアに対し関係し合う互助・支え合い社会の創出を目指していました。そのうねりを創造する流れが『やさしい声かけ訓練』を起点に起きようとしていました。
しかし、2020年からコロナ渦となり、多世代・住民と専門職で行ったこの訓練の報告会が出来なくなると共に、アクティブシニアの方々の行動がピタッ..と止まります。

【こういう事態になると増々認知症の方やフレイルの方が増える。このままではいけない】と思う中、社会医療法人栄光会の地域協働部と別府3町内会さんとであるモデル事業を行います。

別府3町内会にお住いの方で、コロナ渦となり生きる力が気になる方を町内会長にピックアップして頂きます。そしてその方を送迎付きで公民館においでいただき、理学療法士2名が国際基準によるフレイル評価や認知症に関する評価をする為に、いろんなプログラムを楽しく行う集いの場を開催します。1ヶ月の中で3週連続で行いました。
このモデル事業は後に「生きる力支援推進会議」へと発展し、町内会長が気になる人を専門職と住民で話し合いながら、この方に対しどう接していくか?今後、どんな事が予見されるか?この方のコンパッション・コミュニティとどう繋がって行くか?等を打合せ、最終的な仕組みとしてうまれたのは『各組での福祉サポーター制度』・『生きる力見守り配食弁当活動』でした。

一方、アクチィブシニアの活動がパタッ..と止まったため、高齢者の方々の子供世代に今後の医療介護がどうなっていくか?についてを知って頂きたいとの想いから、その孫世代である中学生と協働し、新聞発行というスタイルでその親世代である40代の方々に知って頂く活動に切替え、関係し合う世代を拡げたのです。
こういう経緯がわからないと、『なぜこんなに幅広く活動をするのだろう?その活動が互助や支え合い活動とどう関係するのか?そこに取り組むだけの価値はあるの?』という素朴な疑問が湧いてくると思います。それがこうやって質問として頂いているんだと想うのです。
質問を頂くという事は、私たちの行う活動の棚卸でもあり、私たちは真の目的を果たすべき方向に進んでいるのか?を確認する良き機会でもあります。
質問を頂いたMさん、どうもありがとうございました。厚く、感謝御礼を申し上げます。