NPO法人志免地域支え合い互助基金では、2024年度から『退院支援から生活支援を考える』モデル事業に取り組んでいます。
対象は、身寄りのいない1人暮らしの高齢者。言い換えれば【コンパッション・コミュニティ】が0の方。

きっかけは、ケアマネさん、民生委員さんが本来であれば家族が行うことまでお手伝いをせざるをえない現実を目の当たりにしたことでした。
『もし民生委員の私が保証人にならねば、この人はどうなるのだろう?』
『もし民生委員の私がお金の管理等をしなければ、この人はどうなるのだろう?』
そういう場面に出くわした際、こういう心情になるのです。とその氣持ちを吐露されました。
そんな折、栄光病院を退院される予定のAさん(88歳男性)について、ケアマネのE氏から相談があったのです。
『Aさんは1人暮らしで身寄りがなく、人とのお付き合いが苦手で友人がいない。つつましく生活をしてきたが、いよいよ人の助けがないと生活が厳しくなってきた』
そこでケアマネE氏が描いたプランは、Aさんに【コンパッション・コミュニティ】をつけることでした。
【コンパッション・コミュニティ】とは、思いやり共同体を指し、Aさんが病気で苦しみ、生活支援がないと孤独死をする可能性がある。今こそ、私達が出来る範囲内で交代しながらAさんを支えよう。という内容。
Aさんが病院受診をする場合、Aさんのコンパッション・コミュニティのBさんが『私が連れて行こう。帰りはCさん、大丈夫?』みたいな感じでAさんを支えるコミュニティのイメージです。

ケアマネのE氏は、まず介護保険のサービスを利用しながらAさんを支える方法と、Aさんの地域にいらっしゃる民生委員さん、そしてNPO法人志免地域支え合い互助基金の事務局をインフォーマルな【コンパッション・コミュニティ】として組み立てました。
退院前、病院の中と自宅で退院後の生活支援に関するサポート体制について話し合い、退院されてからはフォーマルとインフォーマルの【コンパッション・コミュニティ】が機能し、ケアマネE氏のプランはいい具合に進んでいました。
しかし、物価の高騰により家計が苦しくなります。
何とかここもみんなの協働で難を乗り切り、ことが前に進み始めます。
インフォーマルの【コンパッション・コミュニティ】である民生委員さんが、Aさんを地域デビューさせ、地域の人から顔を覚えて頂き、日頃から声を掛け合う状況を創るためにAさんを地域の催しに連れていきます。少しづつですが、Aさんに対する【コンパッション・コミュニティ】の力をつける大作戦が良い方向に進んでいました。

そして昨日。
介護保険の生活支援でAさん宅を訪問したDさんが、Aさんの異変に気付き、Aさんを病院にお連れします。高熱が出ていて、歩けなくなっていました。
ここでも、ケアマネのE氏が計画した策が功を奏します。
この様に、今からの時代、Aさんの様な方が増えると予想されています。
その際、その方のライフプランニングを行う方にお願いしたい事は、フォーマル+インフォーマルにて、その方に【コンパッション・コミュニティ】力をつけることを意識して頂きたいという事です。

先日、有志3人と『寄り添いサポート』を結成しました。
これは、【コンパッション・コミュニティ】が0の方を対象に、その方のインフォーマルな【コンパッション・コミュニティ】になるチームです。3人1組。
この3人1組のチームが起点となり、その方の【コンパッション・コミュニティ】を6にも9にも15にもできる様にしていくことをイメージしています。
この様なチームが、この志免町にたくさんできる事を願って頑張るぞ―――!
