
- 採択後、何から始めればいいか分からず不安を感じている
- 実績報告や経費の管理に自信がなく、間違えないか心配している
- 団体内の情報共有や役割分担があいまいで混乱しそう
この記事では、助成金が採択された団体が、事業を円滑に進めるために「最初にやるべき3つの準備」を具体的にご紹介します。
はじめに|採択はゴールではなくスタートです

助成金の申請が通り、採択通知を受け取った瞬間は、達成感でいっぱいになるかもしれません。しかし、実際にはその瞬間からが本当のスタートです。
志免地域支え合い互助基金の助成金は、地域の支え合いや互助の醸成を目的とした団体やグループの活動に対し、資金面での後押しを行う制度です。
つまり、採択されるということは、地域の課題解決に取り組む「担い手」として期待され、信頼されたという証でもあります。
採択された団体には、以下のような責任が生じます。
- 助成対象期間内に、申請した事業を計画通りに実施すること
- 事業の進捗や完了状況について、写真や資料を添えて「報告書」を提出すること
- 助成金の使途に関する「収支報告」や「領収書の整理・保管」を適切に行うこと(領収書のコピー提出および3年間の保管が義務付けられています)
- 活動内容や成果を広く共有するため、成果の公開に協力すること(例:ホームページや会報誌への掲載)
このように、採択されたあとは「お金を受け取って終わり」ではありません。
むしろ、助成金という地域資源を活かし、誠実に使い、地域の信頼に応える行動が求められます。
だからこそ、採択された後の初動準備が非常に重要なのです。
団体の信頼や活動の評価は、事業が始まってからの取り組みで決まります。
このブログでは、採択直後にやるべき「3つの準備」に絞って、実践的にご紹介していきます。
1. 採択の連絡が来たらすぐにやること|関係者への共有と計画の再確認

まずはチームと関係者に情報を共有しましょう
助成金が採択されたら、まず取り組むべきことは、団体メンバーや協力者にその事実を伝えることです。
そして、今後の進め方について共通の理解を持つことがとても重要です。
認識のズレが後の混乱やトラブルにつながります
関係者への連絡や説明が不十分だと、準備不足や連携ミスが起きやすくなります。
特に、助成金には「実施期間」や「報告期限」が設定されており、スケジュール通りに活動を進める必要があります。
初動が遅れると、慌ただしく対応することになり、活動の質が低下したり、提出書類の不備が発生したりするおそれがあります。
- 採択通知を受け取ったら、できるだけ早く、団体メンバーや協力団体、講師、ボランティアなどの関係者に報告しましょう。
- 通知に記載された助成金額、対象事業名、実施期間、注意点(報告義務や支出ルールなど)を正確に伝えることが大切です。
- 「確認書」や「助成承諾書」の提出が必要になる場合もありますので、公式からの通知文は必ず共有し、保管しておきましょう。
- 助成金には原則として「助成対象期間」が定められています。志免地域支え合い互助基金の要項では、指定された期間内に事業を完了し、報告書を提出する必要があります。
- そのため、年間スケジュールをあらかじめ月単位で整理し、主要な活動日程・準備日・報告締切日などを可視化しましょう。
- 担当者が複数いる場合は、各自の役割と責任範囲を明確にし、共有文書(例:Googleスプレッドシートや印刷配布資料)として管理するのがおすすめです。
スタートダッシュが、事業の安定運営を左右します
助成金の交付は、地域からの信頼を得た証でもあります。
採択が決まったら、その日から「助成金事業の責任ある運営者」としての行動が求められます。
初期対応が早ければ早いほど、全体の進行がスムーズになり、後々の報告書作成や会計整理も余裕を持って進めることができます。
2. 実績報告に備える|日々の記録と会計処理の体制を整える

助成金は使うだけでなく、正しく「記録」することが求められます
助成金は単に「活動資金」として受け取るものではなく、その使い道や活動成果を第三者に対して説明できるよう記録・報告する義務があります。
特に志免地域支え合い互助基金では、事業終了後1ヶ月以内に「完了報告書」および関係書類の提出が求められます。
報告に不備があると、助成金の返還や今後の申請に影響が出ることもあります
提出書類に不備があったり、使途が助成対象外と判断された場合は、助成金の返還を求められることがあります。
また、報告書の質は団体としての信頼にも直結し、次回以降の助成選考にも影響を及ぼします。
- 助成金の収支を明確に管理するため、できれば助成金専用の口座を用意することをおすすめします。
- プライベートや他会計と混在しないようにすることで、記帳・証憑の整理が簡単になり、報告書作成時のミスも防げます。
- 入金確認後には、助成決定金額・入金日・口座情報なども記録しておきましょう。
- 支出が発生するたびに、宛名入り・但し書き明記の領収書を必ず受け取りましょう。
- 整理の際は、日付順または費目別に保管し、コピーをとっておくと安心です。
- 志免地域支え合い互助基金では、「領収書の写し」の提出が必須とされており、原本は3年間の保存が義務付けられています。
- 領収書が出ない支出(例:交通費の実費など)については、出金伝票や活動報告書で補完する準備も必要です。
- 活動の証拠資料として、「活動中の写真」や「チラシ」「配布資料」「新聞記事」などを収集しましょう。
- 報告書提出時には、事業実施状況のわかる写真や印刷物の添付が求められます。
- 撮影日・撮影場所・内容が分かるように整理しておくと、報告資料としての信頼性が高まります。
- 撮影が難しい活動(電話相談や内部会議など)は、議事録や活動メモの記録で補完する工夫も有効です。
実施中から報告を意識することで、事後の負担が軽くなります
報告は「終わったあとにまとめてやるもの」ではなく、「活動と並行して少しずつ整えていくもの」として取り組むことが大切です。
そうすることで、提出期限に追われることなく、質の高い報告が実現できます。
助成金は「成果を共有する」までが事業です。
正確な記録と誠実な報告が、次の支援や信頼へとつながっていきます。
3. チームで動くための仕組みづくり|役割分担と情報共有を明確に

「誰が・いつ・何をするか」を明確にしましょう
助成金を活用した事業は、申請時の書類作成や経費管理だけでなく、活動の実施・記録・報告に至るまで、多くの作業が必要になります。
これらを1人で抱えるのは困難です。
だからこそ、チームで動くための役割分担と、情報を共有する仕組みを整えることが欠かせません。
曖昧な体制では、進捗遅れや伝達ミスが起こりやすくなります
代表者だけが内容を把握していたり、情報がメールや口頭だけで伝えられていたりすると、いざ活動が始まったときに「何をすればいいか分からない」「誰がやるべきだったのか曖昧」といった問題が起きやすくなります。
また、事業終了後にはチーム全員での報告体制も必要になります。
あらかじめ分担や共有方法を決めておくことで、活動も報告もスムーズになります。
- 代表者だけでなく、会計担当・記録係・報告書作成係・広報担当などの役割を決めておきましょう。
- 志免地域支え合い互助基金では、会計報告や写真・資料の提出が求められます。これらを誰が担うかを明確にし、紙やデジタルで一覧化して共有するのがおすすめです。
- 活動中も役割に応じた行動ができるよう、役割表は印刷して配布するか、共有フォルダに保存しておきましょう。
- 活動が始まったら、週1回~月1回の定例ミーティングを設定し、進捗状況や課題を共有する機会を持ちましょう。
- 特に「今月どんな活動を行ったか」「予算の残りはいくらか」「次に誰が何を担当するか」を話し合っておくと、スムーズな事業運営につながります。
- 会議の記録は、議事録として簡単に残しておくと、報告書作成時にも役立ちます。
- 複数人でやり取りをする場合、チャットアプリ(LINE・Slackなど)や、クラウド共有(Googleドライブ・Dropbox)を活用すると、情報共有がスムーズになります。
- たとえば「領収書フォルダ」「活動写真フォルダ」「記録用シート」「報告書下書き」などをGoogleドライブで管理すると、各担当が自分の役割に沿って作業を進めやすくなります。
- デジタルが難しい場合は、紙のファイルやノートを使った「報告ノート」でも構いません。要は“全員がいつでも確認できる場所”に情報を置くことが大切です。
チーム全員が同じ方向を向くことで、質の高い事業につながります
役割分担と情報共有の仕組みが整っている団体は、活動がスムーズに進むだけでなく、報告の質も高くなり、地域からの信頼も得やすくなります。
「見える化」された体制は、内部メンバーだけでなく、関係者や住民にも安心感を与え、団体の成長にもつながります。
まとめ|助成金の活用は「準備力」で差がつきます

助成金に採択されたという知らせは、活動を支援してもらえる大きなチャンスです。
しかし、採択されたからといって安心しきってしまうと、思わぬミスや混乱につながることがあります。
だからこそ重要なのは、「採択されたあとに何をするか」です。
この部分にこそ、団体の準備力・実行力・責任感が問われます。
- 採択通知後の初動対応(情報共有・計画の再確認)
→ 関係者全員に情報を伝え、スケジュールと体制を整えることでスムーズに始動できます。 - 記録と会計のルール化(報告書に備えた準備)
→ 領収書や活動記録を日々整理することで、報告時の負担が減り、信頼ある報告が可能になります。 - チーム体制の明確化(役割と情報の見える化)
→ 誰が何を担当するかを明確にし、共有のしくみをつくることで、効率的かつ質の高い運営が実現します。
これらの準備を丁寧に行えば、助成金事業はきっと成功に近づき、団体としての信頼も高まり、地域の中での存在感も高まっていくことでしょう。
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